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執筆者の写真Bicicletta Buna

OLD PEUGEOT、復活!


とても古いプジョーのプロムナード車の修理のご依頼が来ました。

見たところ、年代は1970年代後半から80年代前半と言った辺りでしょうか。

譲り受けて暫く乗って、また暫く乗らずに保管。


最初持ち込まれた時はこんな感じでした。







なかなかの痛み方。

フレームやパーツも錆が出ているし、ちゃんと直すとしたらもはやレストアの領域に入ります。

ただ、今回は走行出来るように、というリクエストでしたので、安全を確保するための修理、という事で作業をお受けしました。

お客さんと色々打ち合わせをして、作業開始です。


まずは、洗車


ハブグリスアップ


BBグリスアップ


洗車、ホイール、BBのグリスアップまでは順調に行きましたが、ヘッドパーツをグリスアップしようという所で問題発生。

ステムのウスとボルト、ステアリングコラムが固着していて、緩めようとしたらステムボルトの頭が飛びました。



いやー、心臓に悪いです💦


昔の台形のウスですね。

万力に固定して、ラスペネを浸透させて、どうにかウスは取れました。


ステムを交換しようかと思いましたが、このステム、ハンドルクランプのサイズが25.4mmとか26mmよりも太い、少し特殊なサイズ。現行のステムだと使えそうなものがない。

なので、ステムはなるべく生かしたい。

ウスは外れたので、現行のステムからボルトだけ拝借しようと試みましたが、ネジのピッチが合わず、せっかく外した古いウスが使えない。


さてどうしよう、と考え、ワンオフ使ってしまおう、と思い、ボルト製作の見積もりを取ってみました。

寸法を測り問い合わせしてみると、やはり現行規格にはない特殊サイズ。オーダーすると、一本あたり約2万円!との見積もり。

これは、新しくハンドルとステムを新調しても値段は変わらないか、むしろ抑えられそう。

という事でお客さんと再度打ち合わせして、オリジナルのステムの使用は諦め、現行のものに。

ハンドルもドロップハンドルにというご希望があり、日東製に変更。

新しいものですし、安全上もこちらが安心!


作業再開!


今度は、ヘッドパーツが外れない💦

ロックナットも30mmと、あまりお目にかからないサイズ。ロックナットは外れましたが、その下の玉押し部が、また固着して回らない。

仕方なく、ホームセンターでウォーターポンププライヤーを調達して、ピンチを切り抜ける


旧車の整備は、ハラハラの連続💦


これで、あとはハンドルステムを付けてワイヤーを張ればOK、と思ったら、今度はフロントディレーラーの締め付けがしっくり来ない。


何と、サンプレックスの樹脂製の本体が経年劣化で割れてました。

こんな時は、プラリペアで補修を試みる


一度、締め付け時に割れたものの、諦めずにもう一度トライしてみると、強度も上がり破損する事なく締め付け成功。無事ピンチを回避。


もう、ここまで来れば今度こそケーブル、チェーン、バーテープを新調すれば完成まで持っていけます

ハンドルをドロップにしてランドナー、スポルティーフっぽく、当時の雰囲気が出るように、ケーブルも敢えて外出しにしてみました。

ダイヤコンペのブレーキレバー、ケーブルは日泉です。



タイヤは、パナレーサーのコルデラヴィというランドナータイヤ。アメサイドをチョイスしたら、良い雰囲気になりました!


かくして、無事作業終了!







レストアではないので交換しなくて良いパーツはそのままですし、フレームも古い塗装のままですが、交換必須のパーツは変えて各部グリスアップも行い、当時の雰囲気を残したままひとまずちゃんと走れる状態に、というご要望にお応え出来たと思います。

受け取りに来ていた時、イメージ通りです、と喜んでくれた姿を見たら、数々のピンチを乗り越えて来た苦労も、吹っ飛びます。

この仕事をしていてやり甲斐を感じる瞬間ですね。

40年前のバイクが無事復活しました。



修理のご依頼、お待ちしております

m(_ _)m


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