もう10年以上前からお付き合いのあるお客さんから、フィッティングとバイクメンテナンスのご依頼を受けました。
以前、私がBIKE FITを初めて受講した2012年、率先して(人柱として?)フィッティングを受けていただいた方で、その後ショップを移ってからもメンテナンスにも来て頂いていて、そしてこのお店を開いてから、再びメンテナンスとフィッティングをご依頼いただきました。
これまでは大きなお店の看板を背負っていたので、○○の樗澤さん、ということで多くのお客さんに知ってもらえましたが、今はそうした大きなお店ではないので、知名度を上げるのも大変なことなのですが、有名でも何でもない一介のショップ店主をずっと頼ってくれるお客さんがいることに感謝しかありません。
先日、11年ぶりに再受講して更に進化したフィッティングにより、乗車中のストレス軽減と、足のブレを減らすクリートウエッジのセッティングを行いました。
レーザーを使用して膝の軌跡を確認しながら調整していきます。
そしてこのバイク。マドン7。
前の、前のショップ時代にトレックのプロジェクト1で作っていただき、レースなどもご一緒してきました。
前ショップ時代にはフレームを全塗装していただきました(Byアトリエキノピオさん)。
80年代のチネリ・スーパーコルサのバーガンディ色を彷彿とさせるカラー。
一見、単色の塗装のようですが、黒とのグラデーション塗装で、その境界線辺りがとても綺麗なんです。さすが、キノピオさん。
今回、バイクのメンテナンスはホイールとBBのメンテナンスをメインにお願いしたいとのことでした。
使用したのは、TOKEN NINJA。予めベアリングが内蔵されたシェル同士をねじ込んで固定するタイプ。トレックのBB90規格のものは今までこの手のものがなかったのですが、TOKENが出しているとお話ししたところ、使ってみますとのお返事。
本来は私が使ってみて良かったのでお勧めします、と紹介できれば良かったのですが、使ったことがないのに何とも申し訳ないのですが、10年前のフィッティングの時のように、使ってみます!と申し出てくれました。
インプレッションもいただけました。後ほど。
BB90の軽さのメリットは失われてしまいますが、それと引き換えに得られるものもあります。
トルクはきっちりチェックしながら組付けしました。BB90のべアリング圧入はそれ程強い力を必要としないのですが、今回はそれよりも強めな設定。必要以上に力がかからないようにしっかり取説の指示に従います。
他で代用が効かない専用工具が必要なのが難点。
そして発覚した、シマノクランク剥離問題。FC-9000は剥離が確認されたので、交換対応となりました。さらば、パイオニアペダリングモニター。
ホイールメンテナンス
バラバラにして洗浄、再組立て、調整。
以前、外付けのDi2ジャンクションをすっきりさせたい、とのご相談があったので、ハンドル内装ジャンクションに換装していました。ハンドルバーの穴あけ加工もやりましたね~。
完成
TOKEN NINJAのインプレッションは・・・
「ほかのバイクと乗り比べると違いは明確で、普通のBBだとどこかざらざらしていて抵抗があることがわかります。セラミックだと抵抗がほぼ0に感じられます。
登りなどでパワーをかけると軸の剛性感を強く感じることができ、左にかけたパワーが右にも伝わり、右にかけたパワーが左にも伝わってペダリングの無駄がなくなる感じがします。」
トレックを3台乗り継いでおられる方からのインプレッションなので、とても実感がこもっています。
現在、トレックはBB90規格からT47へとBBの規格を移行しましたので、BB90は少しづず過去の規格となりつつありますが、長らく使用されていたので、今後交換の機会もまだまだ沢山あります。
そんな時、選択肢の一つとなりますね。
新しいパーツも次々出てきますし、未だに覚えること、知らない事は沢山あります。
技術と知識の習得に終わりはありません。
今までやってきて修得出来た技術、知識については自信を持てると言えますが、これで良い、自分は長年やったのでもう大抵のことは分かる、と過信しないよう気を付けています。
現にこうして、お客さんとのやり取りの中で得られる知識と経験が沢山あります。
来てくれるお客さんに感謝しつつ、自分でもお客さんに還元できる知識、技術を毎日磨くことでしか、この仕事を続けることは出来ません。
日々是精進です。