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執筆者の写真Bicicletta Buna

ツール・ド・沖縄


今年もツール・ド・沖縄に行って来ました。

が、色々報道されている通り、災害級の悪天候により、レース部門は全て中止となりました。


事前に雨予報と聞いていましたが、飛行機からは、線状降水帯と思しき巨大な雲が幾つも立ち登り、少々不気味な雰囲気を醸していました。


大会の週末、会場の名護と沖縄本島北部は、災害級の大雨。

那覇空港に着いて情報を集めると、コースが土砂崩れにより寸断されていました。


Xより引用

これを見た瞬間、復旧は無理でしょ、と思いました。しかし、主催者からの公式発表はまだなかったので、とりあえず会場の名護へ向けて出発


途中のサービスエリアで、好物の大東寿司を食べて、気分を紛らわす。


そして名護到着。お昼過ぎ。主催者からの発表がありました。


100km、140km、200kmのコースは使用不可となり、レース中止か?と、思われましたが、土曜日の時点では問題がなかった市民50kmのコースを使いレース部門を開催する、という決定が下されました。

距離の大幅短縮に戸惑いつつも、出来る限りレース中止を避けて、参加者に走って欲しいという主催者側の強い意思を感じました。


とりあえず、バイクの準備

たまに雨が上がって青空が見えたりしますが、すぐにまた雨が降り出すという、とても不安定な気候。


そして、お昼ご飯。定番の「宮里そば」


この後、一緒に来たお客さんと車でコースの下見へ。そう、50kmのコースを走った事がないのです。

200kmのカテゴリーは、名護スタートの50kmのコースと被っているのですが、私の出る100km、140kmはスタート地点が違うので、ここを走った事もない人も多いのです。

距離も大幅短縮、そして本来ならありえない、全選手が同じコースを走る状況。レースの高速化が予想される展開、過密スケジュールにより高まる危険度。

この時点でレースをDNSとした方も多かったようです。気持ちは分かります。私も悩みました。

しかし、開催に向けて奔走してくれた主催者の善意と、自分は何しにここに来た?と自問自答してみれば、自ずと答えは出ました。

確かにコースは短くなった。

でも走る時間も距離も、何ならコースレイアウトも、いつもの朝練と同じような感じじゃないか、と気持ちを切り替える事に。

しかし、とにかく安全第一で走る事を最優先に、主催者の善意を無にする事なく、安全に終わらせる事が最優先であると考えていました。


宿でウエアの準備

新しいお店のジャージでの初レースです。



そして迎えた当日。スタートラインに向かうと雨は上がっていて、あれ、意外と問題なく走れそう!という感じに。

6時45分にチャンピオンレースがスタート。先のクラスがもうスタートしている時間だけど、まだ列が動かない。

少し遅れているのかな?と思っていたら、何やら先頭の方が盛り上がっていて、拍手が聞こえる。


お、いよいよスタートだ!と思った矢先、先頭から選手が


「冠水でレース中止〜」


と知らせに来た。


「え?」という感じで、最初何の事かよく分からなかった。もう雨も上がっているし、全然走れそうだけど??

でも、まてよ、冠水か。

なるほど、そういう事かと、すぐに理解しました。

昨日から続く大雨、土砂崩れや冠水はどこで起きても不思議ではない。前日、車で試走した時は普通に走れたものの、いつ大雨が降るのかも分からない状況が続いているので、十分にそうなる可能性はあったのだ。


現地の画像。テクニカルアドバイザー、内間康平さんのXより



スタートラインに並んで、スタート時間になってからの中止発表。


レースに賭けてくる多くの参加者の想いに応えたいと、主催者が何とか出来ないか様々な代替案を繰り出し、本当にギリギリのラインで日曜日の開催に漕ぎ着けていた事情、そして努力を参加者の多くは知っていて、殆どの方は中止を素直に受け止める事が出来ていました。

スタート地点で盛り上がっていたのは、そういった主催者の苦渋の決断を暖かく迎えていた、拍手だったのです。



今年のツールド沖縄は、こうした何とも暖かみのあるフィナーレを迎えていたのでした。


そうと決まれば、皆撤収!


私もすぐにバイクの片付け

ものの10分!

この直後、バケツをひっくり返したような物凄い雨が降りました。仮にコースの冠水がなかったとしても、あの豪雨の中でのレースは、相当危険だったと思います。


そして、青空。計測チップを返しに行くと、もう会場は閑散としていました。

寂しい、、、



ペット(十姉妹)を飼っているので、長期間家を明けて置く訳には行かず、ここ数年は土曜日入り、日曜日帰りの弾丸ツアーです。

でも帰る直前になって、ようやく沖縄らしい空が戻ってきました。




しかし、普通に考えれば、スタート直前に中止となれば、参加者の怒号が飛び交ってもおかしくない状況といえます。でも、そうはなりませんでした。

ギリギリまで準備に奔走してくれた主催者と地元の方々、中止を快く受け入れられる参加者、そして素晴らしいロケーション、ツール・ド・沖縄というイベント、やはり最高です。


私にとってもツールド沖縄は、自転車に乗る動機の大部分を占めている大事なイベントでもあり、ここに多くのものを賭けて来て良かったと思えたし、今後も可能な限り出続けたいと、改めて思えたのでした。

とは言え、やはりぽっかりと心に穴が開いたのは事実。

私など、レース数ヶ月から一夜漬けみたいな練習をして臨むくらいのもですが、勝ちに行く選手は、本当に一年をかけて、人生をかけて大会に臨んでいます。そんな方々とは比べものにもならないのですが、沖縄に魅せられた者として、毎年11月は、やはりここに来たい。

今年走れなかった分、来年は今年よりも、もうちょい練習しっかりして、またリベンジします!



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